公開

 本章では、いよいよ、人体への影響についてお話しします。人体が放射線を浴びることを被曝と言います。放射線に「曝される」からです。この被曝とその影響の話こそが、みなさんがもっとも気になるところなのではないでしょうか。

ICRPとUNSCEAR

 最初に、ICRP(International Commission on Radiological Protection)について紹介しておきましょう。これは読んで字のごとく「放射線防護に関する国際委員会」のことで、世界中の放射線の専門家が集まり、その研究の成果から、放射線防護に関して勧告を行う学術組織です。その前身は1928年にもさかのぼる組織で、研究成果をまとめた出版物(ICRP publication)を出しています。日本の放射線防護に関わる法の基準も、その勧告をもとにしています(1)。ですので、以下でも、放射線の人体への影響を定量的に語る場合、このICRP勧告の値を引用します。
 ICRP publicationは、日本アイソトープ協会のHPからダウンロードできます。

 驚くべきことに、日本語訳されたものが無料でダウンロード可能ですので、放射線に興味のある方は、是非、ご覧ください。特に、ICRP publication 103(2007年勧告)は、現在の放射線防護の考え方の基本となるものですので、目を通されることをお薦めします。
 放射線による人体への影響は、まだまだはっきりしていないことが多いです。それは、人体を使って実験をする、などということができないからです。そのため、不幸にも起こってしまった事故の被害者の方々を長期間にわたって調査するなど、地道な研究が必要です。ですから、より新しい時代になればなるほど、その結果は新しく更新されていくことになります。いったん放射線の勉強をしたあとでも、年がたつと基準が変わることも多々あります。そのためにも、最新のICRP勧告に目を通しておくことは重要です。

 一方、国際連合の中にも、UNSCEAR(United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation、原子放射線の影響に関する国際連合科学委員会)という、放射線の影響を評価する組織があります。
「ICRPが経済優先の観点から基準を決めているために信用できない」と主張する人たちは、UNSCEARのほうがより科学的視点に立っていると言いますが、国連というものがもろに政治的な組織であるうえに、そもそもUNSCEARは、国連の安全保障理事会の常任理事国が地上で核実験をばんばん実施していたときに、それに対する批判をかわすためにつくられた組織であることを考慮する必要があります。「Atomic Radiation」とは、原子爆弾(Atomic Bomb)由来の放射線という意味です。国連は、第二次世界大戦の戦勝国四か国にフランスを加えた常任理事国五か国(ロシア連邦と中華人民共和国は、それぞれソヴィエト連邦と中華民国の継承国扱い)だけに核兵器所有の特権を与えているうえに、歴史上唯一核兵器の実戦使用をした組織であることを、われわれ被爆国たる日本の国民は頭に入れておく必要があります。
 もちろん、そういうことを頭に入れたうえで、利用できるものはばんばん利用すべきですから、UNSCEARの報告も読んでおきましょう(2)。バックについている組織があれであろうとも、報告書のもととなっている論文はまともな科学者たちによって書かれたものですし、そもそもその科学者たちはICRPのメンバーと相当数かぶっています。国連が、自分たちがやらかした核兵器の実戦使用や地上核実験の罪滅ぼしのためにこういう活動をしているわけではなく、純粋に、自分たちのやったことの影響を知りたいというだけで活動を始めましたので、むしろそういう動機だと信用できます。
 現在では、UNSCEARがまとめた科学的知見をもとにして、ICRPが勧告を出す、という関係になっています。

放射線はどのようにして人体を攻撃するのか

 放射線が分子の結合を切断して破壊するということを第4章でお話ししましたが、われわれの身体は特に放射線に対して弱い有機化合物でできています。われわれの身体を構成する分子が破壊されるとどうなるのでしょうか。たとえば「脂肪が分解される」とか言われたとしたら、むしろ積極的に放射線を浴びたいくらいですが、われわれの身体を構成しているものは、そのように壊れてもよいものばかりではありません。
 破壊されて困るものの最たるものは、細胞の中でも核、その中のDNAです。DNAが破壊されてしまうと、細胞は分裂による複製ができません。
 われわれの身体の臓器や組織は、一見ずっと同じものであるように思えても、細胞レヴェルで見ると、おのおのの細胞には寿命があり(しかも意外に短い)、それらが死ぬとともに、新たな細胞が分裂によってつくられ、入れ替わることで、臓器や組織の全体の形と機能を維持しています。
 ですから、放射線によってDNAが破壊され、そのままの状態だと、分裂によって代わりの細胞がつくられませんので、その細胞の寿命がきた段階で、その臓器や組織は機能不全を起こしてしまうのです。

 このように、放射線による障害は、放射線を浴びてから症状があらわれるまでに多少の時間差(細胞が入れ替わるサイクル分だけの)があります。これを潜伏期と呼びます。戦後の日本での最悪の被曝事故であるJCO臨界事故でも、被害者の方に深刻な症状が出たのは被曝後数日たってからです。JCO臨界事故については、第8章でくわしくお話しします。
 また、生物の場合は、DNAの周囲に大量の水が存在します。ですから、放射線が直接DNAを破壊しなくとも、放射線が周囲の水分子(H2O)を分解し、ラディカルという反応性の高い状態の水素(H*、水素ラディカルと水酸基(*OH、ヒドロキシルラディカルをつくり出した場合、このラディカルがDNAを攻撃して破壊する、という間接的な反応もあります。実際には、この間接的攻撃による損傷のほうが、直接的なものよりもずっと多いです。

 人間が全身に放射線を浴びたときの致死量は、7Gy程度です。これをJで表わすと7J/kgですから、体重70kgの人だと、全身合計で500J程度の放射線を浴びると死んでしまうことになります。ふだん人間が体内で消費しているエネルギーの消費率は、平均して100W程度ですから、500Jだと、たった5秒間の活動エネルギー分でしかありません。たったそれだけで、人間は死に至るのです。
 別の面で、500Jのエネルギーで70kgの人の体温がどれくらい上昇するかを考えると、人間の比熱が水と同じ4.2 J/gKだとして、500J / 70000g / 4.2J/gK ~ 0.002K、わずか1000分の2℃の温度変化にしかなりません。風呂に入ったって、それよりも体温が上がるでしょう。それくらいのわずかなエネルギーでも、放射線だと致死量となるのです。
 人間がいかに放射線に対して弱いかがおわかりになるかと思います。

放射線に対する感受性

 第2章で、携帯を投げつけた話をしましたが、あのときはうまくよけられたものの、当たっていたらとんでもないことなります。手脚や胴体に当たっていたら、痣ができた、くらいですむかもしれません。ところが、目に当たっていたら、最悪、失明の可能性すらあります。このように、生物の身体には、強いところ弱いところがあります。
 放射線に対しても同様で、臓器や組織ごとに、強い弱いはあります。これを感受性と呼びます。先ほどの「DNAが破壊された場合には細胞分裂のときに問題があらわになる」という話から考えるとわかりますように、細胞分裂が盛んにおこなわれているところほど、細胞の入れ替わりのサイクルは早いわけですから、放射線に対する感受性が高いことになります。
 人間の身体の中で、感受性の高いところは、リンパ組織、骨髄、生殖腺などです。感受性の低いところは、脳、骨、神経組織、筋肉、血管などです。皮膚や、胃・腸などの消化器官、肝臓などは、その間くらいの感受性となります。
 これも福島第一原子力発電所事故後に出たデマのひとつで、被災地で心筋梗塞となる人が増え、それは放射線のせいだ、などというものがありました。血管や筋肉の塊である心臓は感受性が低く、放射線に対して比較的強いところですので、デマを流した連中が、弱いところではなく強いところをわざわざ選んでいたところが、笑えると言えば笑えるところです(もちろん、デマによる悪影響を考えると、笑っている場合ではなく、デマを流した連中を罰するべきだとは思います)(3)

被爆後すぐに起こる障害(急性障害)

 人間をはじめとする生物が、生物でない物体と違う点は、なんらかの障害を負ったとしても、それを自分で回復させる能力を持っている、ということです。放射線に関しても、いったん放射線によって臓器や組織の一部が破壊されても、そのあとに継続して放射線を浴びなければ、その一部は復活する可能性がある、ということです。
 「可能性がある」などという微妙な言い方をしたのは、復活するかどうかは、破壊される組織の量、ひいては浴びた放射線の量によります。DNAは、一箇所切れた程度なら、細胞内の修復機能によって修復されます。また、一部の組織がそのDNAを修復不能なまでに破壊され、複製をつくれなくなったとしても、破壊されなかった組織が代わりに複製をつくることも可能です。しかし浴びた放射線の量がとても多く、組織が全般的に破壊されてしまうと、その組織は回復不可能となり、結局それがその生物自体の死につながります。

 人間が全身に一度に大量の放射線を浴びた場合に起こる障害の具合をみてみましょう(4)
 0.25Gy以下の場合は、臨床的症状はありません。
 0.25Gyを超えるとリンパ球の一時的な減少が起こります。
 0.5Gy程度浴びた場合は、骨髄の造血機能の低下が起こり、血球の供給が止まります。
 1Gy程度浴びた場合は、10%程度の人が放射線宿酔(めまいや嘔吐など)を起こします。
 1.5Gy以上浴びると、死亡する人がでてきます。死亡の原因は造血機能の低下で、白血球が減少するために抵抗力が低下したり、血小板が減少するために出血が多くなったりするからです。この障害は、先ほどお話しした潜伏期を持つので、放射線を浴びてから1週間ほどたったころに出血などの症状が現われ、それが数週間続き、浴びた放射線量が少ないとその後回復しますが、多いと死に至ります。3 ~ 5Gyで50%の人が、5 ~ 7Gyで90%の人が、7 ~ 10Gyでほぼ全員が死に至ります。

 これも福島第一原子力発電所事故のあとに、「福島に行ったら放射線の影響で鼻血が出た!」と騒いでいる人たちがいましたが、放射線が原因で出血したということは、致死量に近い放射線を浴びたということですので、その出血の様子をブログや漫画に掲載している場合などではなく、すぐにでも病院に行き、造血組織の移植(骨髄移植など)を受けるべきだと思います。そうやって騒いでいる連中に限って、移植手術はしませんよね、不思議なことに。
 5 ~ 15Gyも浴びると、比較的感受性が高くない消化器官も障害を起こします。消化器官でもっとも感受性が高いのは十二指腸、ついで小腸で、小腸内でさかんに細胞分裂をおこなって新たな細胞を供給している部分(クリプト細胞、クソリプではありません)がやられてしまうため、小腸内の粘膜剥離が起こり、10~20日で死亡してしまいます。
 15Gy以上の放射線を浴びると、感受性の低い中枢神経まで破壊され、全身痙攣などを起こし、5日以内に死亡します。

感受性が高くない組織への影響

 先ほどの鼻血でもそうですが、放射線を浴びた人の症状として、昔からステレオタイプに表現されてきたものとして、「脱毛」があります。フィクションの映像的には、毛が抜けていく姿はいかにもインパクトがあってよいのかも知れませんが、実際にはそう簡単には脱毛しないものです。というのは、先ほどお話しした通り、皮膚の感受性はそれほど高くないからです。ここでは、皮膚に対する影響をまとめておきましょう。
 3Gy以上浴びると、脱毛が起きます。
 3 ~ 6Gyで紅斑や色素沈着が見られます。
 7 ~ 8Gyで水疱があらわれます。
 10Gy以上で潰瘍ができます。
 というように、皮膚に影響が見られるのは、致死量に近い放射線を浴びた場合になります。

生殖・妊娠に関する影響

 逆に感受性の高い組織の場合についてもお話ししておきます。感受性という観点で重要な組織はいくつかありますが、ここでは生殖器について触れておきましょう。
 精巣への被曝の場合、精子のもととなる精原細胞がもっとも感受性が高く、これがやられてしまうことで不妊が起こります。0.15Gy以上被曝すると一時的な不妊を起こしますが、しばらくたつと回復します。3.5 ~ 6Gy程度の被曝で永久不妊となります。
 卵巣の場合は、精原細胞に相当する卵原細胞はすでに胎児期に卵母細胞へと変化していますので、被曝で影響を受けるのは卵母細胞になります。卵母細胞は卵原細胞よりも感受性は低いです。0.65 ~ 1.5Gyの被曝で一時的不妊、2.5 ~ 6Gyで永久不妊となります。
 また、胎児も放射線に対する感受性が高いのですが、どのような影響を受けるのかは、妊娠のどの段階で被曝したのか、によります。
 受精卵が子宮壁に着床するまでの期間(受精後8日間まで)に0.1Gy以上の被曝を受けると、受精卵は着床できずに死亡してしまう可能性があります。着床できた場合に、その後に大きな被曝を受けなければ、この時期の被曝の影響もなく、正常な成長を続けます。
 着床後から受精後8週間くらいまでは、胎児の器官形成期にあたります。その期間に0.1Gy以上の放射線を浴びると、器官の一部が欠損して胎児は奇形となる可能性があります。
 受精後8 ~ 15週間に0.2 ~ 0.4Gy以上の被曝を受けると、精神発達遅滞(知恵遅れ)が起きる可能性があります。
 また、受精後8週間から出生までの間に0.5 ~ 1Gy以上の被曝を受けると、発育遅延が起きる可能性があります。

 福島第一原子力発電所事故の直後、福島在住の若い女性の間で、「私は果たして子供を産めるのでしょうか」という、将来に対する不安の声が上がりました。僕の親しい方の中でも、そうおっしゃっていた方がおられました。若い女性にそのような心配までさせた無責任なマスコミや、それに乗っかった、騒ぎたいだけの連中には、心の底から怒りを感じますが、ここは冷静になって、もう一度基準値を見直してみましょう。
 事故当時、妊娠していなかった方には、なんら問題はありません。永久不妊となるのは2.5 ~ 6Gy以上ですが、これは先ほどお話しした致死量に近い値であって、不妊以前に命の心配をしたほうがよいレヴェルです。また、事故当時に妊娠されていた方も、被曝線量0.1Gy以上が問題となりますが、放射線業務従事者を除く住民の方々の被曝線量の平均値は0.0008Sv、最大の方でも0.025Svです(5)から、それに達しません(SvとGyの関係については、このすぐ後にお話しします)。また、遺伝的な影響については、このあとでお話ししますが、それも問題ありません。
 産める産めないの問題は、「放射線が生殖器に影響を与える」という知識があり、それを「どのくらいで」という量を考えずに「もうだめだ」という結論を出してしまったことが問題なのでしょう。定量的に考えなければいけない、という典型的な例です。
 もちろん、いまだに騒ぎたい連中の中には、「その基準が間違っている」と主張するのもいるでしょうが、それであれば、ICRPとは別の、科学的な調査にもとづいた基準値を、ちゃんと明示すべきです。それもせずにただ騒ぐだけだから、許せないのです。騒ぎたいという自分のちっぽけな欲求を満たすために、このように若い女性が思い悩むところまで追いつめた連中は、決して許されるべきではありません。
 「私は子供を産めるのでしょうか」に対しては、「何の問題もなく産むことができますし、それは、世界中の他の地域に住む女性とまったく同じです」というのがその回答です。

 さて、ここまでは、それぞれの説明のところで「○○Gy以上は~」と書いているように、その値以下では障害が起こらない、言いかえれば障害が起こる被曝量に閾値が存在する影響について見てきました。これを確定的影響と呼びます。
 ここからは、低い線量でもある確率では起こりうる影響、確率的影響についてお話ししましょう。

等価線量

 確定的影響の場合は、致死量に近いような大きな線量の話でしたので、吸収線量を使って評価していましたが、これからお話しする確率的影響は、それよりもずっと小さな放射線量を扱いますので、より正確に人体への影響を考慮した量を使います。

 生物が放射線を浴びた場合、その影響をより細かく考える場合には、単純にそのエネルギーの大小だけでなく、浴びた放射線の種類をも考慮する必要があります。放射線の種類によって、物質との反応の様子がずいぶん違うことは、第4章で見た通りです。その放射線の種類の違いによる影響分を表わした値を、放射線加重係数と呼びます。この係数は、放射線の種類ごとにつぎのように決められています。

放射線加重係数(6)
α線 20
β線 1
γ線、X線 1
中性子 下のグラフ

 α線が、β線やγ線の20倍となっているのは、それだけ、生物の身体に与える影響が大きいことを意味しています。α線は水(人体もほぼ同じ)の中での飛程が40μm程度だということは第4章でお話ししましたが、これは人の体細胞数個程度のサイズです。放射線を防ぐという観点からは、それだけで停まってくれる、とも考えられるのですが、いっぽうで、直撃された数個の細胞からすれば、その全エネルギーを与えられるだけに、深刻な被害を受けることになります。そのため、α線はとくに大きな値となっているのです。
 中性子がエネルギーごとに細かく設定されているのは、第4章でもお話しした、速度ごとに大きく変わる中性子の反応の様子によるものです。

 吸収線量に加重係数をかけあわせたものを、等価線量と呼びます。単位はSv(シーヴェルト)です。この名称は、スウェーデンの物理学者であるロルフ・マキシミリアン・シーヴェルトから取られており、彼は、ICRPの設立当初から委員を務め、1958年から1962年までは委員長を務めました。
 たとえばγ線であれば、加重係数は1ですので、1Gyの吸収線量の場合は、等価線量は1Svとなります。
 また、一般に放射線の強さを表わすのには、単位時間あたりの等価線量である等価線量率を用いることが多いです。1時間あたりの等価線量率だと、単位はSv/hとなります。たとえばある場所で等価線量率が3mSv/hであったとして、そこに2時間滞在すると、合計で6mSvの放射線を浴びることになります。

実効線量

 たんに放射線から与えられたエネルギーだけを考えた吸収線量からはじまって、放射線の種類を加味した等価線量を考えました。そして次は、放射線を浴びる組織や臓器の感受性を加味した量を考えましょう。それが実効線量です。

 実効線量は、組織や臓器が受けた等価線量に、その組織や臓器の組織加重係数をかけ合わせ、それらを全身分すべて足し合わせたものです。組織加重係数というものが、感受性を表わしたものになります。組織加重係数は、次のようになります。

組織加重係数(6)
組織・臓器 組織加重係数
生殖腺 0.08
骨髄(赤色) 0.12
結腸 0.12
0.12
0.12
膀胱 0.04
乳房 0.12
肝臓 0.04
食道 0.04
甲状腺 0.04
皮膚 0.01
骨表面 0.01
0.01
唾液腺 0.01
残りの組織・臓器 0.12

 実効線量の単位も、Svです。

 このように、放射線が人体に与える影響を細かく考えるには、とても面倒な計算が必要となってきます。専門家でもない人がこういう量をいちいち計算していくのはとても現実的ではありません。そこで、本章の終わりのほうで、それらをひとまとめにした簡単な計算方法についてお話しします。
 その前に、確率的影響にはどのようなものがあるのかを見てみましょう。

被爆後長期の潜伏期間を経て起こる障害(晩成障害)と確率的影響(7)

 先ほどお話ししたように、全身に一度に浴びた放射線の量が0.25Gy以下の場合には、妊娠期間中を除き、そのときに生ずる急性障害の症例はありません。しかし、その後、長期間(数年から数十年)を経てから障害が表われることがあります。これを晩成障害と呼びます。晩成障害でもっとも有名なものは、悪性腫瘍です。広島と長崎に投下された原子爆弾による被爆者の追跡調査から推定すると、白血病の平均潜伏期間は12年、癌のそれは20年以上と考えられています。
 悪性腫瘍は、通常の細胞がなんらかの影響で変異をきたし、それが増殖してしまったものです。変異自体は、健康な人の身体の中でも、毎日、数多くの細胞で起こっているのですが、人体のメカニズムによって通常はその増殖が抑制されているものです。

 では、変異はどうして起きるのかというと、たとえば、DNAが損傷した場合の修復間違いです。先ほどお話ししたように、生物にはDNAが切れた場合に自動的に修復する機能が備わっています。実際に放射線以外の原因で、DNAの損傷は毎日われわれの身体の中で数えきれないほど起こっています。それを修復しながら細胞は活動しています。ところが、当然ながらというべきか、ある確率では修復間違いが起きます。その修復間違いを起こした細胞が、悪性腫瘍になったりするのです。
 DNAが1箇所切れただけなら、それをつなぐだけで間違いも起きにくいのですが、2箇所以上同時に切れてしまった場合、切れた場所に挟まれた部分を飛ばしてつないでしまったり、その部分を逆にしてつないでしまったり、別の部分を挿入してつないでしまったりと、間違える確率は格段に上がります。

 この修復間違いは、修復の回数が多くなればなるほど間違える可能性は上がるので、たとえば放射線による損傷の場合、まさに放射線の量に比例して修復間違いが起こる確率は上がるわけです。が、いっぽうで、ようは確率の問題ですので、1回の修復でも間違える確率は零ではなく、したがって、低線量でも障害が起きる確率は零ではないのです。このため、このような要因によるものを、確率的影響と呼んでいます。

名目リスク係数

 DNAの損傷は、放射線以外の要因によるもののほうがはるかに多く起こっており、そのため、悪性腫瘍を患ったとしても、放射線による影響なのか別の要因なのかという区別は非常に困難です。マウスなどに放射線を照射する実験を行えばマウスに対する影響はある程度は調べられますが、人間に対してそのような実験はできず、結局は、核兵器による被爆者や、事故や職業的な被曝者の追跡調査を行うことになります。その場合、被爆者や事故による被曝の場合は浴びた放射線の量は推定になりますし、職業的な被曝の場合は被曝量が管理されていますが、逆に影響が出にくいほどの低線量です。また、それらの人たちの追跡調査をするにしても、それぞれの生活習慣があまりにさまざまで、その違いによる影響のほうが放射線によるものよりはるかに大きいために、統計を取ることはとてもむずかしいのです。
 それでも、なんとかしてまとめた統計結果が発表されています。放射線によって生じた悪性腫瘍により死亡する確率は、名目リスク係数というもので表わされ、癌に対して0.055 /Svとされています(6)この数字をどのように扱うのかというと、たとえばある人が0.20 Svの放射線を浴びた場合には、

0.055 × 0.20 ~ 0.011

と計算して、癌で死亡する確率が1.1%増加する、と考えます。たとえば放射線を浴びていない人の癌での死亡率が33%の場合は(本当にそうなのかわかりませんが、これは例ですので33%はとくに意味のない数字です)、それに1.1%だけ死亡率が増えて、癌での死亡率が34%になる、ということです。

 ただし、これをもっと低線量の被曝に適用するには注意が必要です。低線量の被曝の場合の統計はさらにいっそう難しいので、現時点では、100mSv以上の放射線を浴びた場合の統計を、100mSv以下の場合にも適用して使っていますが、100mSv以下の低線量被曝でも同じ確率かどうかははっきりしていません。

遺伝的障害

 ところで、DNAの損傷と言われて、まっさきに連想するのが、遺伝的な影響ではないでしょうか。DNAは、遺伝情報を伝えるものだからです。DNAが変異した状態で細胞が生き延び、それが悪性腫瘍となって増殖する場合については先ほどお話ししましたが、では、それが生殖細胞で、受精にも成功した場合、次の世代にその変異が受け継がれるのではないでしょうか。
 変異を次世代に継承することは、じつは生物の進化には欠かせないもので、そう考えるとポジティヴにもとらえられますが、そうそう都合よくいいことだけ継承されるわけではなく、実際には悪い影響を与えることが多いでしょう。ですから、この変異が次世代にどのくらい継承されるかは、とても気になるところです。

 私事で恐縮ですが、その昔、サイボーグ009という漫画を読みました。中学生の頃に読んだのですが、それが描かれたのは僕が生まれる前、1960年代だったそうです。そして、その中で、未来の人類が、タイムマシーンを使って現在(1960年代)にやって来る、という話がありました。そこでは、その時代から見た未来である1982年にアメリカと中国との間で核戦争が起こり、地球は放射性物質で汚染されてしまい、その環境から抜け出すために、未来人は過去(009たちがいる時代)に移住しにやって来た、というストーリーでした。
 衝撃的なのは、その未来の人類は、放射線の影響で、みな奇形になってしまっている、ということでした。この漫画の連載当時は冷戦まっただなかで、ソヴィエト連邦とアメリカが戦争直前まで行った(キューバ危機)時代であり、核戦争が現実の脅威として語られ、また、放射線による影響もまだまだ未知のことが多く、多くの人がそれに怯えていた時代でもありました。
 では、当時よりもはるかに多くの科学的知見が得られた現代では、この恐れはどれくらい現実的なものなのでしょうか。

 放射線による遺伝的影響の調査にかんして、歴史的には、まず最初にショウジョウバエを使った実験が行われ、それによると、放射線の遺伝的影響は明確にあらわれました。次にマウスの実験でも、やはりその影響は確認されたのですが、ショウジョウバエとはずいぶん違った様子となりました。
 そして、われわれが一番知りたいのは、人間の場合です。
 何度かお話ししていますように、人間の場合は、放射線を浴びせて、などという実験はできません。そこで、人類の歴史上たった2回だけ行われた核兵器の実戦使用について、広島と長崎での被爆者の追跡調査が行われ、被爆者の子供(被爆二世)に対する放射線の影響が調べられました。出生時障害については77,000人、染色体異常については8,000人(加えて、比較のために、両親共に被爆していない子供8,000人)が調査されましたが、それ以外の調査も含めて、被爆による遺伝的影響は見られなかった、という結果が出ています(8)
 原理的に考えると、遺伝的障害は出るはずです。そして、ハエとマウスの実験でも出ています。しかし、人間での調査では出ていません。その原因は、楽観的に考えれば人間はハエやマウスよりもはるかに放射線に対して強いと結論づけることも可能ですが、こういう場合はより安全な方向に考えて、放射線による影響は必ず出るはずだが、調査した人たちが浴びた放射線の量が少なかったために、有意な統計が取れるところまで至っていない」と、放射線の影響を調査結果に矛盾しない範囲でできるだけ高く見積もっておきます。そうして提示された、遺伝的影響についての名目リスク係数は、0.002 /Svです(6)

 それにしても、遺伝的影響に関しては、核兵器が使用された場合ですら、有意な統計が取れないほど被曝量が少ないのですから、福島第一原子力発電所事故でその影響が見られるとはとても思えません。先ほどの、「産める産めない」の問題の答えのひとつが、ここにあります。

 確率的影響についてまとめると、主なものは癌と遺伝的影響で、どちらも、放射線をまったく浴びなくとも、別の要因によりある確率で起こるものです。そして、放射線による影響は、それに加算される(確率が上がる)という形となります。これらは、被曝量が非常に大きい場合には、被曝量に比例して上がりますが、被曝量が少ない場合には、放射線以外の要因によるものに隠れてしまって、実際に比例するかどうかはわかりません。
 しかし、より安全なほう(放射線の影響を大きく見積もるほう)に考えて、現在のところ、高線量被曝の場合と同じ割合を、低線量被曝の場合にも適用しています。特に遺伝的影響に関しては、人間に対して放射線による影響が見られた例はないのですが、他の動物の実験から推測して、やはり安全なほう(影響がある、とするほう)に解釈しています。

外部被曝と内部被曝

 人体が放射線を浴びるにはふたつの場合があります。
 人体の外にある放射性物質から浴びる場合と、人体の中にある放射性物質から浴びる場合です。前者を外部被曝または体外被曝、後者を内部被曝または体内被曝と呼びます。
 両者の違いは何でしょうか。それは、第4章でお話しした、放射線の種類ごとの特徴を考えるとよくわかります。

 α線やβ線は飛程が短いので、外部被曝したとしても、身体の表面で止まってしまい、重要な臓器に影響を与えることはありません。ところが、それらを出す放射性物質を体内に取り込んでしまい、内部被曝を受けた場合には、この飛程が短いということが逆に、一箇所に集中して巨大なエネルギーを与えるということになり、体内の臓器や組織に与える被害はとても大きなものになります。

 第1章でポロニウム210の話をしたときに、人間を死に至らしめる危険な同位体であるということと、静電気除去ブラシにも手軽に使われているということの、一見相反するかのようなふたつの話をしましたが、それがまさにこのα線の特徴をとてもよく表わしています。つまり、外部被曝(静電気除去ブラシ)であれば恐るるに足らないが、内部被曝(寿司)であればじつに恐ろしい放射性同位体となる、ということです。
 いっぽう、γ線やX線は、透過性が強いので、外部被曝と内部被曝とでは直接的な影響の観点では大きな違いがありません。中性子も透過性が強いので同じです。

 ただ、内部被曝が外部被曝と異なる点は、物質との反応のしかたの違いだけでなく、まさに生物学的とでも言うべき違いもあります。外部被曝の場合は、放射性物質が身体と別に存在しているので、放射性物質がそこにあるとわかっていれば、そこから離れることもできますし、そこにあるとわかっていなくとも、一日中ずっと同じ場所にいる人もいないでしょうから、四六時中べったりということはないでしょう。手などについている場合でも、手を洗ったり、他のものを触ったりしたら、放射性物質は取れてしまいます。
 いっぽう、体内に放射性物質が取り込まれてしまったら、その人がどこに行こうとも、放射性物質といつもいっしょ、ということになります。体内から四六時中ずっと攻撃を続けるわけです。

 消化器官に入った場合は、水溶性でない放射性物質は吸収もされませんからそのうち排出されますし、水溶性の放射性物質も、吸収はされますが、まさに水溶性であるがために、ある程度の日数をおいて排出されます。
 いっぽう、肺に入った場合には、肺はそこで行き止まりですので、長期間にわたってたまり続けることになります。プルトニウムなどの難溶性の放射性物質の場合、消化器官に入るか肺に入るかで、その影響はまったく違います。
 また、吸収された場合でも、その放射性物質の化学的性質のために、ある特定の場所にたまり続ける場合もあります。たとえばヨウ素は甲状腺にたまりやすく、ストロンチウムは骨にたまりやすいです。
 このように、放射性同位体が体内にどれだけの期間留まるのかは、その種類によって違います。体内に取り込まれた放射性同位体のうち、その半分の量が排出されるまでの時間を、生物学的半減期と呼びます。生物学的半減期は、消化器官と肺との違いのように、どのような経路で取り入れられるか、によっても違います。また、年齢が低いほうが新陳代謝がよいので、一般に短くなります。
 セシウムの場合、成人で110日程度(9)10歳児で50日程度(10)です。
 ヨウ素は、血液→甲状腺→その他臓器という流れを考えた場合、甲状腺での生物学的半減期は、成人で80日程度(9)10歳児で58日程度(11)です。
 内部被曝を考える場合には、放射性同位体自身の半減期と、生物学的半減期とを考慮する必要があります。内部被曝でのトータルの半減期は、たとえば甲状腺でのヨウ素の場合、前者が8日、後者が80日とすると、

1 / ( 1 / 8 days + 1 / 80 days ) ~ 7 days

というふうに計算します。

実効線量係数

 どうですか、どんどん複雑になってきて、放射線の影響をどう考えてよいのか、わけがわからないよ、てことになってはいませんか。人間の身体というのは複雑な仕組みをしていますからね。そこで、もっと単純に、被曝量を計算する方法を伝授しましょう。

 われわれが知りたいのは、たとえば、ある食品を食べたときに、結局、どれくらい被曝するのか、ということです。そして、食品が放射線の検査をされたときには、ふつう、「○○Bq/g」や「○○Bq/kg」という、比放射能の値が示されます。ですから、必要なのは、放射能と被曝量(実効線量)との関係です。
 世の中、必要なものはかならず先人たちが実用化してくれているもので、この場合でも、ちゃんとそういう値はまとめられています。先ほどお話しした体内での放射性同位体の移動の様子を考え、体内に取り入れられてから排出されるまでに体内に対して与える内部被曝量(実効線量)を、途中で通る臓器ごとに計算し、合算して、それを取り入れた量(放射能)で割ったものを、実効線量係数と呼びます。ある放射性同位体を1Bq体内に取り入れるごとに、何Sv被曝するか、という値です。

 成人の経口摂取(飲食によって取り込まれた)の場合で、
セシウム137 1.3 × 10-8 Sv/Bq
ヨウ素131 2.2 × 10-8 Sv/Bq
ストロンチウム90 2.8 × 10-8 Sv/Bq
です(12)。この値を使えば、この章でお話した等価線量や実効線量の複雑な計算を行わずに、摂取したものに含まれる同位体の種類と放射能(または比放射能)を使って、被曝量を計算することができます。
 たとえばある食品が100Bq/kgの比放射能のセシウム137を含んでいたとして、それを10kg食べた場合(食べすぎです)、摂取したセシウム137の放射能は
100 × 10 ~ 1,000 Bq
ですので、そのセシウム137からの被曝量は、先ほどの実効線量係数を使って、
1.3 × 10-8 × 1,000 ~ 0.013 mSv
という計算ができます。
 この実効線量係数も、第10章に放射性同位体ごとにまとめておきます。

余命損失

 本章では最後に、放射線を浴びることでどれだけ寿命が縮まるか、というお話しをしましょう。これを医学的に考えて算出することは、きわめてむずかしいことです。そこで、統計的な方法で考えてみましょう。
 ある行動をずっとしてきた人たちと、その行動をしてこなかった人たちとで、それぞれ平均寿命を調べます。その差が、その行動によって縮められた寿命だ、と考えてみるわけです。これを余命損失と呼びます。
 たとえば、仮に、フライドポテイトを週に1回食べる人たちの平均寿命が57歳で、フライドポテイトをまったく食べない人たちの平均寿命が82歳だったとすると、「フライドポテイトを週1回食べるというリスクによって失う寿命」は、25年、と考えることもできるわけです。これはあくまでもたとえであって、別にフライドポテイトに恨みがあるわけではありません。もちろん、僕はフライドポテイトなど食べたりしませんが。
 ちょっと古い統計ですが、アメリカで調査された、リスクと余命損失についての資料をあげておきます(13)

 放射線を取り扱う業務(現代の業務従事者よりもずっと多くの放射線を浴びていたと思われます)に就いていた場合、寿命は40日縮みますが、喫煙を続けることによって2,250日(6年)、さらには、独身を続けることによって、3,500日(10年)も寿命が縮むのです! 僕は喫煙しませんが、独身ですので、ちょっと嫌な統計です。
 ところが、この統計には、ちょっと注意が必要です。生涯独身の男性の集団には、相当な割合で、貧困層が含まれます。つまり、貧困が原因で結婚できないのです。いっぽう、貧困であれば、充分な医療を受けられませんから、寿命が短いのは当然ともいえます。要するに、貧困という原因が、生涯独身と、短寿命の両方を引き起こしているのであって、独身が原因で短寿命となるわけではないのです。このように、統計というものは、その意味するところをよく考えないと、間違った解釈をしてしまうことがあります。その典型例として、よく頭に入れておいてください。

 本章で人体に対する放射線の影響を見てきましたが、それでは、その放射線からどのようにして身を守るか、について、次章で考えていきましょう。

第5章まとめ

  • 急性障害の場合、0.25Gy以下では臨床的症状はなく、7Gy程度が致死量
  • 放射線の影響で鼻血が出たなら、漫画描いてないで骨髄移植を受けろ
  • 胎児への放射線の影響は大きいので、妊婦さんは注意、0.1Gy以上は浴びてはいけない
  • 等価線量と実効線量の単位はSv
  • 1Gyの吸収線量の場合、β線・γ線・X線なら1Sv、α線なら20Svの等価線量となる
  • 確率的影響(癌、遺伝的影響)を計算するには、名目リスク係数を使う
  • 等価線量とか実効線量とか生物学的半減期とか、むずかしい概念が出てきたが、とりあえずは実効線量係数を使えば、取り入れた放射性物質の量から実効線量を計算できる
  • 独身ヤヴァい
参照・注
  1. (1) ICRPに対して、その基準値がおかしいという批判をする人も、世の中にはいます。その人たちは、いわゆるとんでも系の人から、基準値の作成の経緯を丹念にたどって調べた学者まで、さまざまです。が、しかし、その人たちのいずれも、ICRPの基準に代わる新たな基準値を確立した人はいません。ここまできちんとした体系的な放射線防護基準を提示しているのは、ICRPだけです。
  2. (2) UNSCEARの報告書のリンクは、
  3. (3) ああいう連中がなぜこのようなデマを考えだしたのかというと、おそらく、「セシウムが筋肉にたまりやすい」ということからの思いつきなのでしょう。筋肉は全身にあって、「筋肉にたまりやすい」というのは、要するに、特定の場所にたまるわけではない、という意味でもあります。一般的には、全身均一に分布するものとして取りあつかいます。
  4. (4) 以下、本章で出典の明記がない数値に関しては、『放射線概論(第8版)』通商産業研究社(2012)から引用しました。
  5. (5) 『県民健康調査「基本調査」の実施状況について』第26回福島県「県民健康調査」検討委員会
  6. (6)^1 ^2 ^3 ^4 ICRP publication 103、2007年勧告
  7. (7) 晩成障害のうち、確率的影響である癌と遺伝的影響については本文に書きましたが、晩成障害だが確定的影響というものもあり、それは、白内障、再生不良性貧血、骨壊死、肺繊維症があります。マリア・キュリーの死因は再生不良性貧血で、白内障にもかかっていたそうです。
  8. (8) 被爆者の子供の放射線による遺伝的影響の調査結果については、UNSCEARの2001年報告 [PDF]にくわしくまとめられていますが、165ページにもおよぶ長文ですので、それを読むのはちょっと…という人のために、放射線影響研究所のHPでわかりやすくまとめられているページをご紹介します。
  9. (9)^1 ^2 ICRP Publication 30
  10. (10) ICRP Publication 67
  11. (11) ICRP Publication 56
  12. (12) ICRP Publication 119
  13. (13) 『A Catalog Of Risks』Health Physics, 36, 707-722 (1979)

※通常、引用論文は、「著者名、雑誌名、巻数、ページ数、年」、の順で書きますが、本サイトでは、みなさんがぐぐりやすいよう、著者名の代わりにタイトルを書いてあります


著者プロフィール

多田将 (ただ・しょう)

1970年大阪府生まれ。京都大学理学研究科博士課程修了。京都大学化学研究所非常勤講師を経て、現在、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所、准教授。

著書『すごい実験』『すごい宇宙講義』『宇宙のはじまり』『ミリタリーテクノロジーの物理学<核兵器>』『ニュートリノ』。